オールイン・オールアウト飼育方式

オールイン・オールアウト飼育方式とは、特定のタンク、池、または施設に対して、単一の年齢群(コホート)を一度に収容し、その群全体を同時に出荷した後、システムを洗浄・消毒してから次の個体を導入する方式である。これは、異なる年齢の個体がシステムを共有したり、古い個体が残っている状態で新しい個体が追加されたりする連続飼育や段階的飼育とは対照的である。バイオセキュリティ上の利点は手順ではなく構造にある。オールイン・オールアウト方式では、病原体が侵入しても感染対象となる個体数が限定的であり、サイクル終了時に完全排水と消毒による「ハードリセット」が行われる。一方、連続飼育では、侵入した病原体が感受性のある若い個体を永続的な宿主として利用し続けるため、サイクル内の衛生管理を徹底しても完全に排除することが難しい。この方式のトレードオフは運用面と経済面にある。オールイン・オールアウトには、コホートを同期させ、サイクル間の洗浄・消毒のためのダウンタイムを許容できるだけの十分なタンクや池の容量が必要となる。一方、連続飼育は施設利用率を最大化し、出荷を集中させずに段階的かつ継続的に行うことでキャッシュフローを安定させる。種苗生産施設や高健康状態の育種施設では、バイオセキュリティ上の利点が利用コストを上回るため、ほぼ例外なくオールイン・オールアウトが採用されている。一方で、多くの育成養殖場や小規模経営では、運用上の柔軟性を優先し、病原体蓄積のリスクが高い連続飼育を選択している。

オールイン・オールアウト飼育方式
写真: Brandonrush / Wikimedia Commons, CC0

関連用語