死後硬直と肉質
死後硬直とは、ATPの枯渇によって魚の筋肉が死後に硬直する現象であり、アクチンとミオシンフィラメントが分離するために必要なエネルギーが失われることで生じる。これは、加工品質、フィレ歩留まり、および貯蔵寿命の中心的な決定要因である。その経過は3つの段階に分かれる。温度、種、屠殺前のストレスによって数時間から1日以上続く「遅延期」、体が硬直し尾が固定される「完全硬直期」、そして内因性酵素が肉を軟化させる「硬直解除期」である。屠殺前の運動やストレスはATPの枯渇とグリコーゲンの使用を加速させ、遅延期を短縮し、強く速い硬直を引き起こす。一方、適切に休養し、十分に餌を与えられた魚は、ゆっくりとした穏やかな硬直に入り、加工業者に広い作業時間を与える。硬直の状態によって可能な作業が決まる。完全硬直期の魚をフィレにすると筋肉が裂け、隙間のあるフィレとなり、食感も悪くなる。一方、遅延期にフィレにすると、滑らかで高歩留まりの切り身が得られる。そのため、多くの加工業者は、硬直と細菌の増殖の両方を遅らせるために急速に冷却し、硬直が解除されるまで魚を保持してから切断する。グリコーゲンが少なくストレスを受けた魚は、乳酸も蓄積し、血合いが多くなりやすく、肉質も柔らかくなる傾向がある。養殖業者や収穫管理者にとって、穏やかな追い込み、氷水スラリーでの短時間処理、迅速な冷却は、生きた魚を品質の劣る隙間のあるフィレではなく、プレミアムな加工製品に変えるための制御可能な手段である。